2027年4月1日から、技能実習制度に代わって「育成就労制度」が始まります。これから外国人材の育成就労採用を検討する企業様に向けて、東京の監理支援機関である外国人材協同組合が、採用の流れ・費用・期間の目安と、今から始めておきたい準備をわかりやすく解説します。

育成就労の採用とは?制度の基本
まず、育成就労は、人手不足の分野で外国人材を原則3年間かけて育成し、特定技能1号の水準まで引き上げることを目的とした制度です。技能実習の目的が「国際貢献」だったのに対し、育成就労は「人材育成と人材確保」を正面から目的に掲げています。
そのため、育成就労で採用した人材は、3年間の育成を修了して試験に合格すれば、帰国せずに特定技能1号へ移行し、同じ職場で長く働き続けることができます。企業にとっては、長期的な戦力を計画的に育てられるのが大きな特長です。
育成就労で採用できる分野(17分野)
育成就労で採用できるのは、次の17分野(育成就労産業分野)です。
- 介護、ビルクリーニング、リネンサプライ
- 工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、鉄道
- 飲食料品製造業、外食業、宿泊
- 物流倉庫、資源循環
- 農業、漁業、林業、木材産業
なお、特定技能の分野のうち「自動車運送業」と「航空」は育成就労の対象外です。各分野の業務内容は求人企業様へ(対象17分野)で紹介しています。
育成就労の採用の流れ
育成就労の採用は、おおむね次の流れで進みます。
- 監理支援機関へ相談:業種・職種が対象分野に当てはまるか、受入れ人数や時期を確認します。
- 求人条件の決定:仕事内容、勤務地、報酬、寮などの条件を決めます。報酬は日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上であることが必要です。
- 現地での募集・面接:提携する送出機関が候補者を集め、オンラインまたは現地で面接します。
- 育成就労計画の作成・認定申請:3年間の育成の目標や内容をまとめた計画を作成し、外国人育成就労機構の認定を受けます。
- 在留資格の手続き・入国:在留資格認定証明書の交付を受け、ビザを取得して入国します。
- 入国後講習・就労開始:日本語や生活ルールなどの講習(約1か月)を受けた後、就労を開始します。
採用までの期間の目安
一般的に、面接から就労開始までは、おおむね6~8か月が目安です。国や送出機関の状況、書類の準備状況によって前後します。したがって、育成就労の採用を計画する際は、就労開始の希望時期から逆算して、早めに動き出すことをおすすめします。
育成就労の採用にかかる費用
育成就労の採用で企業が負担する主な費用は、次のとおりです。
- 入国までの手続き費用(書類作成、申請、渡航費など)
- 送出機関に支払う費用のうち、受入れ企業が負担する部分
- 入国後講習の費用
- 毎月の監理費(監理支援機関による訪問・監査・支援の費用)
- 住居の確保や生活立ち上げの支援にかかる費用
また、育成就労では、外国人本人が送出機関に支払う手数料が過大にならないよう、その一部を受入れ企業が負担する仕組みが導入されます。その結果、技能実習より初期費用が増える可能性がある点に注意しましょう。当組合の費用の目安は価格表、監理費の内訳は監理費および監理内容でご確認いただけます。
育成就労の採用で押さえたい3つのポイント
1. 転籍(転職)がありうる前提で職場づくりをする
育成就労では、分野ごとに定められた期間(1~2年)が経過し、技能・日本語の要件を満たせば、本人の希望による同じ分野内での転籍が認められます。だからこそ、採用後の定着には、公正な評価、相談しやすい環境、生活面のサポートが欠かせません。
2. 日本語学習の支援計画を立てる
具体的には、入国時には日本語能力A1相当(日本語能力試験N5程度)以上が求められ、修了時にはA2相当(N4程度)を目指します。例えば、業務の中での声かけや、学習時間の確保など、会社としての支援方法を決めておきましょう。
3. 信頼できる監理支援機関を選ぶ
育成就労の採用がうまくいくかどうかは、監理支援機関の力量に大きく左右されます。特に、提携している国・送出機関の数、訪問の頻度、費用の分かりやすさ、母国語での相談体制などを比較して選びましょう。
育成就労の採用前に社内で準備しておくこと
さらに、受入れ前に社内の準備を進めておくと、採用後の立ち上がりがスムーズになります。たとえば、次のような項目です。
- 仕事の手順書やマニュアルを、写真や図を使ってわかりやすくしておく
- 指導を担当する社員を決め、育成の進め方を共有しておく
- 寮や家具・家電、通勤手段などの生活環境を整えておく
- 日本人社員に向けて、受入れの目的や文化の違いについて説明しておく
こうした準備があると、育成就労外国人は早く仕事に慣れ、日本人社員も安心して指導できます。結果として、育成就労の採用で最も大切な「定着」につながります。
2027年4月に向けたスケジュール
育成就労制度は2027年4月1日に施行されます。つまり、施行初期から育成就労で採用したい場合は、2026年中に監理支援機関へ相談し、求人条件の整理と候補者の募集を始めておくと安心です。制度の詳細や最新情報は出入国在留管理庁「育成就労制度に係る基本方針・分野別運用方針」でも確認できます。
育成就労の採用に関するよくある質問
Q. 小規模な会社でも育成就労で採用できますか?
A. はい。実際、中小企業の多くは、監理支援機関を通じて育成就労外国人を受け入れます。ただし、受入れ人数には常勤職員数に応じた枠があります。
Q. 技能実習生を受け入れている場合はどうなりますか?
A. 一方で、施行前に始まった技能実習は、経過措置により一定期間継続できる見込みです。今後の受入れを育成就労に切り替える時期について、早めにご相談ください。
そのほかのご質問はよくある質問にまとめています。
育成就労の採用は外国人材協同組合へ
外国人材協同組合は、アジア14か国・100以上の送出機関と提携し、面接の手配から育成就労計画の作成支援、入国後の定期訪問や生活支援まで一貫してサポートしています。人材紹介は完全無料です。育成就労の採用をご検討の際は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
