2027年4月1日、技能実習制度は廃止され、新たに育成就労制度が始まります。では、育成就労と技能実習の違いは具体的にどこにあるのでしょうか。この記事では、外国人材を受け入れる企業様向けに、育成就労と技能実習の違いを9つのポイントで比較し、今から準備しておきたいことをまとめました。

育成就労と技能実習の違い【比較表】
まずは、主な違いを表で確認しましょう。
| 項目 | 技能実習 | 育成就労 |
|---|---|---|
| 目的 | 技能移転による国際貢献 | 人手不足分野での人材育成と人材確保 |
| 期間 | 最長5年(1号~3号) | 原則3年 |
| 対象 | 約90職種 | 17分野(特定技能の分野とほぼ一致) |
| 転籍 | 原則として不可 | 一定の要件を満たせば本人の希望で可能 |
| 日本語 | 介護以外は入国時の要件なし | 入国時にA1相当(N5程度)以上など |
| 修了後 | 帰国が前提 | 特定技能1号への移行が前提 |
| 送出機関の手数料 | 本人負担が中心 | 受入れ企業も一部を負担 |
| 支援する団体 | 監理団体 | 監理支援機関 |
| 監督機関 | 外国人技能実習機構 | 外国人育成就労機構 |
違い1:育成就労と技能実習の目的
技能実習は、日本の技能を開発途上国へ移転する「国際貢献」を目的としていました。一方、育成就労は、人手不足の分野で外国人材を育成し、確保することを目的としています。つまり、育成就労では「日本で長く活躍してもらう人材を育てる」ことが制度の前提になりました。
違い2:期間と特定技能へのつながり
技能実習は最長5年で、修了後は帰国するのが基本でした。これに対して、育成就労は原則3年で、修了時に技能と日本語の試験に合格すれば特定技能1号へ移行できます。さらに特定技能2号へ進めば、在留期間の上限がなくなり、長期の就労も可能になります。
違い3:対象となる分野
技能実習は約90の職種・作業ごとに細かく区分されていました。それに対し、育成就労は介護・建設・工業製品製造業・飲食料品製造業・外食業・物流倉庫など17分野にまとめられています。なお、特定技能の分野のうち自動車運送業と航空は、育成就労の対象外です。
違い4:育成就労と技能実習の転籍ルール
育成就労と技能実習の違いの中でも、企業への影響が最も大きいのが転籍です。技能実習では原則として転籍ができませんでした。しかし、育成就労では、分野ごとに定められた期間(1~2年)が経過し、技能と日本語の要件を満たせば、本人の希望で同じ分野内の転籍が認められます。そのため、企業には「選ばれる職場づくり」がこれまで以上に求められます。
違い5:日本語の要件
技能実習では、介護を除き、入国時の日本語要件はありませんでした。これに対して育成就労では、入国時に日本語能力A1相当(日本語能力試験N5程度)以上、またはそれに相当する講習の受講が求められます。また、育成期間中も段階的に試験を受け、修了時にはA2相当(N4程度)を目指します。
違い6:育成就労と技能実習の費用負担
技能実習では、送出機関への手数料を外国人本人が負担し、多額の借金を抱えて来日するケースが問題になっていました。そこで育成就労では、手数料が過大にならないよう、その一部を受入れ企業が負担する仕組みが導入されます。結果として、企業側の初期費用は技能実習より増える可能性があります。
違い7:監理支援機関と外国人育成就労機構
技能実習の監理団体は、育成就労では「監理支援機関」に変わります。監理支援機関は許可の要件が厳しくなり、中立性の確保や外部監査の仕組みが求められます。また、監督を行う機関も、外国人技能実習機構から外国人育成就労機構へと改組されます。監理支援機関については組合案内でも紹介しています。
移行期間中の取り扱い
ちなみに、施行日より前に始まった技能実習は、経過措置により一定期間は継続できる見込みです。とはいえ、今後の新規受入れは育成就労が中心になります。現在技能実習生を受け入れている企業も、切り替えのタイミングを早めに検討しておきましょう。最新の情報は出入国在留管理庁の育成就労制度ページで確認できます。
育成就労と技能実習の違いを踏まえて企業が準備すること
- 対象の17分野に自社の業務が当てはまるかを確認する
- 転籍を前提に、評価・賃金・相談体制を見直す
- 日本語学習を支援する方法を決めておく
- 初期費用の増加を見込んだ予算を組む
- 信頼できる監理支援機関を選ぶ
費用の目安は価格表、制度の詳細はよくある質問をご覧ください。
育成就労への切り替えは外国人材協同組合へ
外国人材協同組合は、東京の監理支援機関として、育成就労の受入れから監理・生活支援までを一貫してサポートします。育成就労と技能実習の違いや切り替えの時期についてのご相談も、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
